kory のコレクションは4つです。ソウル、釜山、済州 — そしてコリア。前の3つは地図で見つけられる場所ですが、最後のひとつはそうではありません。
これが最初、いちばん難しい問題でした。ソウルには夜明けの藍があり、釜山には海があり、済州には火山の島の黒がある。では、韓国そのものを何色にするのか。
街ではなく、空気として扱うことにしました
韓国をひとつの場所のように描こうとすると、結局は観光商品になります。景福宮、韓服、太極。すでにたくさんあり、たいていは引き出しへ行きます。
そこで向きを変えました。ある場面を描くかわりに、この国を思い出したときに残る空気を色へうつすことにしたのです。
夕焼けから色を取りました
韓国の空は、日が沈むころにとりわけ長く赤い。山が多く、太陽が稜線の向こうへゆっくり落ちていくからです。すっかり暗くなるまでのあいだ、赤と藍がしばらく一緒にあります。
コリア エディションの色は、その時間帯から来ています。深い赤茶、その上に残るあたたかなアプリコット、そして反対側の空の藍。
月壺の白は、白ではありません
月壺を写真だけで見ると、白い磁器のように見えます。ところが実物を見ると、白と言い切るのは難しい。光によってごく淡く青みがさすこともあれば、あたたかいほうへ傾くこともあります。
その乳白色が、コリア エディションの地です。完全な白は冷たく、からっぽに見えますが、わずかに色の混じった白は、手に取ったときに温度があります。
ひとつの色に片づかないこと — それがこの国の印象にいちばん近いのだと思いました。
街を選べなかった人へ
旅がひとつの街で終わらなかった人、どこかひとつを選びにくい人がいます。コリア エディションは、そういうときのためにつくりました。
特定の場所の記憶ではなく、この国で過ごした時間ぜんたいの温度に近いものです。